お役立ちコラム?column

オフロードのエンデューロレースのススメ 2

まずは観戦から楽しもう!

 クロスカントリー系のエンデューロレース(スピード競技)は恐いという方におすすめなカテゴリーはミニモトを使ったハードエンデューロ。“ハード”と聞いてちょと身構えてしまうかもしれないが、普通のエンデューロよりも意外と初心者向けというか参加しやすいレースだからだ。なぜかというと…

ミニバイぱにっくでのスタート順は早い者勝ち。ゼッケン番号は関係なく、スタード位置に早く並んだライダーから順番に並んで行く。先頭付近には普通の(?)オフロードマシンが多く、後ろに行けば行くほどオフロードを走る気があるのかわからないようなマシンが並ぶw

スタート直後の登りのウッズでは路面と立ち木と倒木と切り株、さらに前方の転倒車に気をつけながら安全に楽しく進む! 特に路面状況は落ち葉が邪魔して見極めることが難しく、ベテランでもトラップにハマることもある

 このハードエンデューロも1時間や2時間、3時間といった設定された時間内でコースを周回数を競うレースなのだが、クロスカントリー系と異なるのはコースの難易度だ。クロスカントリー系でも丸太越えなどの人口セクションが取入れられていることもあるが、ハード系ではそのセクションの難易度が格段にあがっている。トライアル競技で目にするような垂直にそそり立つ(ように見える)壁を何十メートルも上がったり降りたり(落ちたり?)、直径1メートル以上もの巨大丸太越えが配置されていたり、一度停まるとずぶずぶと潜ってしまう底なし沼のような湿地帯を何十メートルも横断するコースがあったりする。そのため、決められたレース時間内に1周もできずにレースが終了してしまうライダーが多数、というか周回できるライダーのほうが少ないことが決して珍しいことではない。

超非力4ストスクーター“チョイ乗り&ノーマルタイヤ”で参戦の女性ライダーは、なぜか割烹着を着て押しごと中〜! 後ろには前カゴをつけたカブの姿も!

 そんな難易度の高いコースであるがゆえ1周することに全力で立ち向かい、魂を振り絞って1周しようとライダーたちが挑戦する。そのため1周して計測地点に戻ってくるとまるで優勝したかのようにスタッフや観客が盛り上がる! “魂を込めた1周”が出来たということを略して“タマイチ”という言葉まで生まれている。

難所はライバルのライダーも観客も一体となってマシンを引上げる! 観客の多くは、なぜかロープ持参している人が多い。それも複数人が引っ張れるように長めだったり、ところどころに滑り止めのコブをつくってあったり…

 こんなおかしなヘンテコなレースには、まったく興味が湧かないというライダーもいる(多い)と思うが、実は女性ライダーの人気が一番高いのがこのハードエンデューロレースでもあったりするのだ。なぜなら、ひとりでクリアできない難易度の高いセクションを観客やライダー同士で助け合ってバイクを押したり引いたりしてクリアしたり、レース中のマシンの進み具合が異様に遅かったりしたりする(ひとつのセクションをクリアするためにかなりの時間を要するため、観客が歩いて移動するほうが速いことも珍しくない…)。このため、クロスカントリー系のようなスピードで疾走する場面が少ないことでスピードに対する恐怖心がないということもその一因となっているようだ。

何度もエントリーしている女性ライダーの多くは、コスプレを楽しむ余裕も! 乗っているマシンも通学用50ccスクーターだったりカブだったり。それもノーマルタイヤw

 そして、このカテゴリーで今一番人気のあるレースは“ミニバイぱにっく”というレース。普通のハードエンデューロと大きく違うのは使用するマシンによることが大きい。なぜなら、フロント19インチ以下でリヤ17インチ以下のタイヤで排気量が2ストは112ccまで4ストは125ccまでというレギュレーションがあるからだ。このレギュレーションに合致していればオフロードマシンでの出場ももちろん可能だが、なぜかこのレースに出場する多くのライダーたちはオフロード走行に向かないカブやスクーター、それにオンロード用のノーマルタイヤを使ったマシンで参加することが多い。なぜ、オフロードに向かないマシンで参戦しているのか。それは普通のライダーには理解しがたいと思うが、彼らは普通のバイクに乗ってコースを進むことよりも、より非力で不利な可愛いバイクと一緒にコースを回りたいという苦行を楽しむドMだったりするから。そのため、ドSの主催者が用意した難易度の高いコースを二輪+二足+ライダー同士の助け合い+観客のヘルプによってマシンを押しながらコースを進むのだ。
 ハードエンデューロ界隈ではこのことを“押しごと”と呼んでいる(多く出場しているビジネスバイクがお仕事バイクであるので、この“お仕事”という言葉に掛けている…)。だから、レース時間中にコースを1周も出来ない参加者が続出するのだ。しかしながら、レース時間が終了すると彼らは笑顔で互いに讃えあう。

人工もののガレ場の登りではいつも大渋滞が起こる! バイクに乗って進む人、押しごとしてる人、引っ張り上げられている人、コケている人などまさにカオス! 

ミニバイぱにっくはレースというよりも、みんなで楽しむお祭りみないたイベント。好きなバイクで出場して、普段できないようなコスプレを楽しんだりとなんでもアリ! 楽しければ何でもアリ!

トライアルライダーが練習するような場所もコースとなる。こんな難易度の高いセクションをクリアするために、トライアルの練習を始める人もいたりする。そしてトライアル競技にハマってしまった人もいる…

レース中でも疲れたらマシンを隅に寄せて休憩〜! 混んでいるセクションの前で良く見る光景デス! この時のために、お菓子や栄養補給用ゼリー飲料を持って走っているライダーも! また、芍薬甘草湯(!)も持っている確立が高い!?

 こんな1周も回れずに終わってしまうレースのどこが楽しいのか、この文面だけでは理解するのは難しいと思う。百聞は一見にしかず! 現地で見学してみないとわからないかもしれない。レースの和気あいあいとした雰囲気やドS(難易度の高いコースを設定する)の主催者とドM(難易度の高いコースと分かっていながらも参加する)の参加者たちの、笑いと熱い感動が溢れたレースを見ているだけで“自分も出てみたい!”と思ってしまうライダーが実際に多数いるということも理解できるかもしれない。旦那さまや彼氏の付き添いで来た女性が、次のレースにはエントリーしているなんてことの日常茶飯事! それもバイク免許がない女性だったりするから驚きだ。一度生で見てしまったらその楽しさが体感できたようだ。騙されたと思って、一度レース会場に足を運んでみて欲しい。

【バイク輸送のご相談はBAS】
お引越時のバイク輸送もBAS 料金検索<デポtoデポ>

オフロードのエンデューロレースのススメ 2